1月7日の朝、「七草粥」を頂く風習は、起源は古代中国にさかのぼります。
前漢(紀元前206~8年)の時代、新年の日にちを、動物や人に見立てた占いが行われていました。
1月1日… 鶏
1月2日… 犬
1月3日… 猪
1月4日… 羊
1月5日… 牛
1月6日… 馬
1月7日… 人
1月8日… 穀
唐の時代(618~907年)になると、人の日(1月7日)に七種菜羹(ななしゅさいのかん)
という7つの草や野菜を混ぜた汁物を食べる風習が始まりました。
体に良い食材をとることで、無病息災、立身出世を願いました。
この風習が日本に伝わったのは、奈良時代です。
当時、日本ではお正月に若菜を摘んで食べる「若菜摘み」という風習がありました。
光孝天皇(830~887年)が、その風習を歌に詠んでいます。
「君がため 春の野に出でて 若菜つむ わが衣手に 雪は降りつつ」
(あなたのために春の野原に出て若菜を摘んでいると、春というのに、着物の袖に雪が降ってきました)
また、1月15日には7種類の穀類をお粥にして食べる習慣もありました。穀類とは、米・粟・稗・黍・ミノ・胡麻・小豆です。
平安時代になると、中国の「七種菜羹」と、日本の「若菜摘み」、「7つの穀類を食べる風習」が結びついたのが、現代の「七草粥」の由来です。
江戸時代になると、五節句の1つ「人日(じんじつ)の節句」が制定されました。
五節句は、宮廷で行われていた1年の節目となる節句のお祝いのことで、「人日の節句」「桃の節句」「端午の節句」「七夕の節句」「重陽の節句」の5つあります。
「人日の節句」は、中国の占いの「人の日」に由来しています。
そしてこの節句を「七草の節句」と呼び、この日に七草粥を食べる風習が一般の人々にも定着するようなりました。
七草には約12種類の薬膳効果があり、健胃効果・食欲増進・利尿作用・二日酔い解消・解熱・去痰・咳止め・気管支炎予防・扁桃腺炎予防・肝臓回復効果・そばかす予防・あかぎれ予防・心の安定効果などが期待されます。
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